Notionで変わる!効率UP術

Notionで議事録をアクションに繋げる:決定事項・タスク管理と追跡の効率化

Tags: Notion, 議事録管理, タスク管理, ワークフロー効率化, チーム連携, データベース, リレーション

議事録管理における課題

チームで情報共有や意思決定を行う上で、議事録は重要な記録となります。しかし、単に議事録を作成するだけでは、会議で決定した重要な事項や、そこで生まれたタスクが議事録の本文に埋もれてしまい、後から探し出すのが困難になることがあります。その結果、タスクの抜け漏れが発生したり、担当者が曖昧になったりといった問題が生じ、プロジェクトの遅延や手戻りの原因となるケースが少なくありません。

これらの課題は、議事録の作成プロセスと、そこから派生するアクションアイテム(決定事項やタスク)の管理プロセスが分断されていることによって引き起こされやすいと考えられます。会議で合意した内容が単なるテキストとして記録されるだけでなく、具体的な「誰が、何を、いつまでに行うか」というタスクに落とし込まれ、適切に追跡される仕組みが必要です。

Notionを活用した課題解決のアプローチ

Notionを活用することで、議事録の記録と、それに紐づく決定事項やタスクの管理を効率的に連携させることができます。このアプローチの鍵となるのは、議事録とタスクをそれぞれ独立したデータベースで管理し、それらを「リレーション」プロパティで関連付けることです。これにより、議事録ページから直接関連タスクを確認したり、タスクから関連議事録を参照したりすることが可能になります。

この連携ワークフローを構築することで、会議の決定事項がアクションアイテムとして明確になり、担当者や期限と共に可視化されます。さらに、タスクの進捗をNotion上で一元管理することで、議事録の内容が「決めただけ」で終わらず、確実に実行に移されているかをチーム全体で追跡することが可能になります。

データベースの設計

このワークフローを構築するために、以下の2つの主要なデータベースを作成または既存のデータベースにプロパティを追加することを推奨します。

1. 議事録データベース

会議の記録を保存するためのデータベースです。主要なプロパティとして以下を設定します。

2. タスクデータベース

チームのタスク全般を管理するためのデータベースです。既に存在する場合は、そこに新しいプロパティを追加します。タスク管理に特化したデータベースがない場合は新規に作成します。

ワークフローの構築手順

データベースが準備できたら、具体的な運用ワークフローを構築し、チームで共有・実践します。

  1. 議事録ページの作成: 会議開始前に、議事録データベースに新しいページを作成します。議事録データベースにテンプレートを設定しておくと、ページの作成と同時に必要なプロパティがあらかじめ設定された状態になります。テンプレートには、後述する関連タスクを表示するインラインデータベースを含めておくと便利です。
  2. 議事録の記録: 会議中に、議事録本文に議論の内容を記述します。重要な決定事項については、議事録本文の他に、議事録DBの「決定事項」リッチテキストプロパティにも別途簡潔にまとめます。これにより、後から決定事項のみを確認しやすくなります。
  3. タスクの登録と関連付け: 会議中または会議直後に、議事録から生まれた具体的なアクションアイテムをタスクデータベースに新規作成します。タスクを作成する際、「関連議事録」プロパティで、先ほど作成した該当議事録ページを必ず選択し、関連付けを行います。 より効率的な方法として、議事録ページ内の「関連タスク」リレーションプロパティから「新規ページ」ボタンをクリックしてタスクを作成することも可能です。この方法であれば、自動的に関連付けが行われます。また、議事録テンプレートにあらかじめタスクデータベースのインラインビューを埋め込んでおき、そこで直接タスクを追加・入力していく運用も有効です。
  4. 決定事項・タスクの確認と追跡: 議事録ページを開けば、「関連タスク」リレーションプロパティや、テンプレートに埋め込んだ関連タスクのインラインデータベースを通して、その会議で生まれたタスク一覧とそれぞれのステータスをすぐに確認できます。 タスクデータベース側では、「関連議事録」プロパティでグループ化したり、特定の議事録でフィルタリングしたりすることで、特定の会議に関連する未完了タスクだけをリストアップすることが容易になります。担当者や期限でタスクをフィルタリング・ソートすることで、チームメンバーは自身の担当タスクや期日が近いタスクを効率的に確認できます。タスクのステータスを「完了」に更新していくことで、決定事項がアクションとして適切に進行しているかを追跡します。

応用的な活用方法

チームでの運用を定着させるために

このワークフローをチームで効果的に運用し、定着させるためには、以下の点を意識することが重要です。

まとめ

議事録とタスク管理をNotionのリレーション機能を活用して連携させることは、会議で決定した重要な事項やアクションアイテムを確実に追跡し、タスクの抜け漏れを防ぐ上で非常に効果的です。単に議事録を記録するだけでなく、それを具体的なアクションに繋げるワークフローを構築することで、チームの生産性向上に大きく貢献します。

今回ご紹介したデータベース設計とワークフローは基本的なフレームワークです。チームの特定のニーズや既存の運用に合わせて、プロパティの種類や数は自由に調整し、最適な形にカスタマイズを進めることが可能です。Notionの柔軟性を最大限に活かし、チームの会議後プロセスを効率化し、意思決定を確実に実行に移す運用をぜひ実践してみてください。