Notionで変わる!効率UP術

Notionデータベースで実現する複数プロジェクトの横断管理と効率化

Tags: Notion, データベース, プロジェクト管理, チームワーク, 効率化

複数プロジェクト管理における課題

Webディレクターやプロジェクトマネージャーは、多くの場合、同時に複数のプロジェクトを推進する必要があります。それぞれのプロジェクトには独自の目標、期限、タスク、関係者が存在します。情報がプロジェクトごとに分散している場合、全体像の把握が困難になり、以下のような課題が生じがちです。

これらの課題は、チーム全体の生産性低下やプロジェクトの遅延につながる可能性があります。Notionのデータベース機能を応用することで、これらの課題に対する効果的な解決策を構築できます。

Notionによる複数プロジェクト横断管理の基本構造

Notionで複数プロジェクトを横断的に管理するには、情報を統合し、異なる角度から参照できるデータベース構造を設計することが鍵となります。中心となるのは、以下のデータベースです。

  1. プロジェクトデータベース: 個々のプロジェクト情報を管理します。
  2. タスクデータベース: プロジェクトに紐づく全てのタスクを管理します。
  3. メンバーデータベース: チームメンバーの情報を管理します(オプション)。

これらのデータベースを「リレーション」機能で関連付けることで、プロジェクトとタスク、タスクと担当者といった紐付けが可能になります。さらに「ロールアップ」機能を使えば、関連付けられたデータベースから情報を集計し、プロジェクトデータベース上でタスクの完了率や合計時間などを表示できるようになります。

データベース設計とリレーションの設定

1. プロジェクトデータベースの設計

プロジェクトデータベースには、以下のプロパティを含めると便利です。

2. タスクデータベースの設計

タスクデータベースには、全てのタスクを集約します。以下のプロパティを設定します。

3. リレーションの設定

プロジェクトデータベースとタスクデータベースの間でリレーションを設定します。

  1. プロジェクトデータベースに新しいプロパティを作成します。プロパティタイプとして「Relation」を選択します。
  2. リレーション先として「タスクデータベース」を選択します。
  3. 「Sync existing properties」が表示されたら、「Create relation in Tasks」を選択し、タスクデータベース側にも自動的に対応するリレーションプロパティが作成されるようにします。プロパティ名は「関連プロジェクト」などとします。

これで、各タスクは関連するプロジェクトに紐付けられ、各プロジェクトはそのプロジェクトに含まれる全てのタスクを参照できるようになります。

横断管理を実現するビューの活用

単一のタスクデータベースに全てのタスクが集約されているため、様々な「ビュー」を作成することで、プロジェクトを横断した情報を柔軟に表示できます。

1. 全タスクの横断ビュー

タスクデータベース上で、ボードビュー、テーブルビュー、カレンダービューなどを複数作成します。

2. プロジェクトごとのサマリービュー(ロールアップ)

プロジェクトデータベース上で、関連タスクの情報を集計表示するためにロールアッププロパティを使用します。

  1. プロジェクトデータベースに新しいプロパティを作成し、タイプを「Rollup」に設定します。
  2. 「Relation」として、先に設定した「関連タスク」リレーションを選択します。
  3. 「Property」として、タスクデータベースから集計したいプロパティ(例: ステータス)を選択します。
  4. 「Calculate」として、集計方法(例: グループ数 - ステータスごとのタスク数、完了ステータスの割合)を選択します。

これにより、プロジェクトページを開くことなく、プロジェクトデータベースの一覧画面で各プロジェクトのタスク完了率などを確認できるようになります。

ワークフローの構築と運用ポイント

プロジェクト開始時のワークフロー

日々のタスク管理

定期的なレビュー

運用上のポイント

まとめ

Notionのデータベース機能、特にリレーションとロールアップ、そして多様なビューを組み合わせることで、複数のプロジェクトやそこに紐づくタスク、メンバーといった情報を一元管理し、様々な角度から状況を把握することが可能になります。これにより、プロジェクト間の情報分断を防ぎ、リソースの可視化、タスクの抜け漏れ防止、全体進捗の把握精度向上といったメリットが得られ、チーム全体の生産性向上に貢献します。

今回ご紹介した構造は基本的なものですが、チームの特性や業務内容に合わせてデータベースやプロパティ、ビューをカスタマイズすることで、より自社のワークフローに最適化された複数プロジェクト管理システムをNotion上に構築できるでしょう。Notionを活用した効率的なプロジェクト推進に取り組んでいただければ幸いです。